RBTXCO(アールビーティ)は東哲平が手がけるファッションブランド。モノガタリ=モノヅクリを標榜し、Made in Japanのアパレルや一点物のアイテムを展開。「境界線のないクリエイション」をコンセプトに様々な相反する要素が混在した表現を目指す。
2019A/W インタビュー
─── ブランドを始められたきっかけや経緯を教えて頂けますか?
高校2年生の時に、メッセンジャーバックが欲しくて、京都の新京極で探したんですが、予算はバイトで溜めた1万円くらいで、全然カッコいいのが見つからなくて。家に帰って、母ちゃんのブランケットや着なくなったナイロンブルゾンやカバンのパーツを手縫いで縫い合わせて、結局自分でメッセンジャーバックを作ったんですよ。
そうしたら、友達が自分も欲しいって言い出してくれて、色々作っているうちに誕生日が来て、母ちゃんに頼み込んでミシンを買ってもらって。そこで文明の利器を手に入れる訳です。
それから、新京極にあったZAZZO PLANETってお店に作った洋服持込んで、取扱いが始まって‥ その延長線上が今。という感じですね。
─── 今回の2019AWのテーマは”MADE IN EARTH”とのこと。このテーマで展開しようと思った理由とインスピレーション源は何ですか?
最初に思いついたのは「100年後の古着屋にある服」というイメージで、自分が見つけたとして手に入れたい服を作ってみたいと思ったのがきっかけです。100年後の古着って事は50年後の新品か、と思い、50年後のスタンダードとは、RBTXCO的に少しファンタジーな洋服にする背景には何が良いだろうと考えた時に、今回のテーマである「MADE IN EARTH」でやってみようと思いました。 地球から宇宙に、地球産の服を売るという発想で。
実はRBTXCOのネームタグには8年前からこの文言が印字されてるんです(笑) 改めて、その印字されているMADE IN EARTHを商品デザインとして再解釈してみようとコンセプトに設定しました。
僕等は日本人で日本で服を作っているので、製品のクオリティや物事の捉え方、物事の表現の仕方を、普段『日本人として』選択して服を作っています。しかし、今回に限っては、『地球人として』という選択で作った時に、どういう生地や言葉(ロゴ)を選び、どういうモチーフや色味でデザインするか?ということを念頭に置いたコレクションを展開しました。
─── 今回の2019AWのLOOKについての撮影やモデル選びのこだわりや思いを教えてください。
毎回ですが、基本的にプロのモデルは使わないです。ファッションをある一定のハイソなシーンにしたくないと考えています。
今回はベースとなるストーリーがあって、100年後の世界、トーマスと言う歴史学者が約束の場所にたどり着くというモノガタリの配役ごとにキャスティングしました。モノガタリとして役者のイメージは元々あったので、そのイメージに合うモデルを一人一人、時には知り合い以外からもハントして選んでいきました。ベースとなるモノガタリはこちらで読むことができます。
─── 今回のコレクションの中で、特に思い入れの深いピースはありますか?
osmic柄です。RBTXCOの代名詞とも言える『柄物アイテム』の中でも異彩を放つテキスタイルが出来ました。今回のMADE IN EARTHとしてモチーフで土偶とUFOというモチーフを使う事を決めていたのですが、今回はかねてからいつかコラボレーションしたいと思っていた小澄源太さんにオファーを出し、原画を描き下ろして頂きました。彼の描く、存在感のあるテキスタイルで仕立てた洋服達にぜひトライしてみて頂きたいです。