ーまず、今年2月に直営店である「ADD」を下北沢にオープンされましたが、服作りへの変化はありましたか?
元々原宿で12年やっていたお店を下北沢に移転させたので、あまり心境の変化はないのですが、店舗の2階と3階部分がアトリエになっているので、店舗の内装やラインナップをクイックに変更出来るのは原宿の時よりも良くなった事かもしれませんね。別注カラーを展開したり、アトリエでカスタムした古着を店舗で販売しているのでクリエーションの幅はより広がったと思います。
ーそれでは今シーズンのコレクションについて教えてください
テーマは"vacance"です。リゾートをイメージして春夏らしいカラフルなコレクションにしました。
アイテムとして、バッグ類はビニール、籠、ナイロンと異なるテキスタイルを用いているので、ぜひ注目して欲しいですね。
ニットはカラーリングに注力し、キャミソール、タンクトップの他、クージー編みのプルオーバーニットを作製しました。
毎シーズン人気のあるワンピースは、様々なデザインを用意しています。前回即完売だったギャザースリーブワンピースも、より高品質な素材を使用して作製しました。
ー前シーズンに引き続きスポーツメーカー「ヨネックス」とコラボレーションされていますが、前回の反響、今期の特徴などを教えてください。
YONEXがブランドとコラボする初めて取り組みだったので、目新しさもあり、様々な方から反響がありました。今期は初めて実際のスポーツでも着用する事を想定したポロシャツを発表しました。他にも小松精練*の素材を使用したナイロンパーカーなど、従来のラインでは見られないであろうアイテムを展開しています。
*小松精練:石川県能美市に本社を置く合成繊維などを製造、販売する創業75年を誇る有名メーカー。(2018年10月より会社名を小松マテーレに変更)
ー最後に、新たに今後トライしたいことや展望があれば教えてください。
前回のインタビュー でも話しましたが、お客様の層を少しづつ広げれたらいいなというのは、引き続き意識しています。加えて、もっとイメージビジュアルの方にも力を入れていきたいと思っています。
市毛 綾乃(Ayano Ichige)
2002年 中川瞬とともにbanal chic bizarreを立ち上げる
2008年 TOKYO COLLECTION期間中にショー形式でのコレクションを発表
2012年 出産の為デザイナーを退任
2013年 産休期間を経て2014 S/S COLLECTIONより NON TOKYO開始
2016年 Tokyo新人デザイナーファッション大賞《プロ部門》入賞
2018年 下北沢に直営店「ADD」をオープン
Interview : Yuya Uchida